辞書

外国語を学ぶときに絶対に必要な辞書。さまざまな形の辞書がありますが、どんな違いがあるのか考えてみました。

辞書? アプリ?

なんと外国語学部の学生ですら、辞書を買わない時代になったのだそうです。辞書は高いですし、売れなくて値上がりしているからますます手が出なくなっているのかもしれません。

ちゃんと勉強するならやっぱり辞書はほしいです。百歩譲って、辞書を買わずにスマホで済ませてもいいですが、どのアプリを使うかが重要です。アプリでも紙辞書をアプリ化したもの(それなりの値段はする)ならば万全ですが、無料のアプリは要注意だと思います。

やっぱ、アプリじゃダメだ!と思うようになったら、レベルが上がったと喜ぶべきです。

電子辞書? 紙の辞書?

買うとしても電子辞書なのでしょうね。電子辞書のあの速さ、利便性はすごいと思いますし、私も手放せません。

とはいえ、紙の辞書をひいて中国語を勉強した人には「やっぱり紙には紙のよさがある」と思っている人もいるでしょう。1つの項目をひいて、そこで目についた別の単語に寄り道をして、そこから別の項目に飛んで…という作業(遊び?)は、いずれ大きな蓄積になると思います。中国語の勉強が「課題をやっつける」ものでないのなら、紙の辞書をひきたいです。

私の友人で、中国語の専門家ではないのですが、中国の大学(本科)を卒業し、中国で7年働いていた人がいます。学生時代は、辞書をぱらぱら見ては、これはどう言うんだろう、これとこれはどう違うんだろうとあちこち飛んで見ているのが大好きだったそうです。勉強だとは思わず、遊びでやっていたので、いつまででもやってたとか。彼の中国語力を聴けば納得です。

かなり後になってから、電子辞書と紙辞書では単語の並びが違うということに気づきました。電子辞書はピンインの順に並びますが、紙辞書は漢字が基準です。ですから、目的の単語を探し当てたとき、その前後にあってついでに目に入る単語が電子辞書と紙辞書では違っていて、電子辞書では同じ発音やピンインが同じで声調が違う発音の単語、紙辞書では同じ漢字で始まる同意語や派生語です。寄り道の参考までに。

どの辞書を?

私が中国語を始めた頃は1種類か2種類しかなかった辞書ですが、今ではそれぞれの特徴を出した辞書が何種類もあります。小型版、中日・日中統合版、新語に強い、方言に強い、などなど。

慣れや好みもあってどの辞書が一番ということはいいにくいので、必要なのが1冊なら、いろいろな人の意見を聞いてみて(ネットにもレビューがたくさんあります)、書店で手に取って決めればいいと思います。その際、気になる単語や字を1つ2つ挙げておいて、その項目の説明を比較してみるのもおすすめ。その1冊が気に入らなくなって、もっと自分に合った辞書を見つけたいと思うのならば、すでに数冊の辞書を使い分けるレベルなのかもしれません。

電子辞書は値段が高いのですが、高いからこそ、しょっちゅう買い換えないと思うので、少しの違いなら高くても納得のいく方を買うのがいいと思います。串刺し検索機能があれば、絶対そっちがいいです。これだけは紙辞書には絶対できないことなので。

中日辞典?中中辞典?

私は留学前に中中辞典(《现代汉语辞典》)を持っていたのですが、留学してから「中中辞典を使っているというかっこよさのために持っていたんだ」と気づきました。実際には日本語で意味のわからない単語を中中辞典でひいてもあまり理解できませんし、頭に入りません。

中国語を理解する段階では中日辞典をひきつくすべきです。類義語のニュアンスの違いなどは、中国語で説明を読んでも結局わかりません。語感やニュアンスは母語で感覚としてわかって、それを中国語に対応させていくしかないと思います。

しかし、留学先の授業では日本語ならすぐ意味が言える単語でも、中国語で説明するために中中辞典をひかなければならないことが多くなりました。日本語でわかったことを中国語でもわかるというのが中中辞典なのだなと気づきました。

まず中日辞典を引いて、ちゃんと理解する、そしてそれを消化する段階、そこから自分の意見を発信する段階では中中辞典を使う、というのが基本の使い方だと思っています。

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