40人じゃ外国語の授業はできません

大学で中国語を教えている友人が、1クラスの人数が40人もいて、授業にならないと言っていました。私も以前教えていた学校で同じことを経験しましたし、ほかの友人からは50人超えとか100人(!)とかいう話を聞いたことがあります。

これは大教室でやる一方的な講義じゃないんですよね。語学、しかも初学者のクラス。40人でどうやって発音をきちんとケアできるって言うんでしょう。

私は40人になったときは特に気をつけて発音の練習をさせたつもりでしたが、1年終わってみると、それ以前の20人前後だったクラスと比べて明らかに発音も聞き取りもできていませんでした。かなりショックだったのを覚えています。

第2外国語を開講する学校(大学に限らず、専門学校や高校でも)が増えていて、それは喜ばしいことなんですが、本当に効果の上がる形にして開講しなければ看板倒れになるし、学校の評価を上げることにつながらないと思います。講義系の科目と同じ人数設定で、初学の外国語をやらせることに疑問を感じてほしい。

友人は15人くらいにしてほしいと言ってますが、私も別の学校で12~15人くらいでやったときが一番効果があったように思います。あんまり少なくても、自分の声が聞こえちゃって恥ずかしいのか、大きな声を出してくれないし、20人を超えると1人1人見て回れません。見て回ること自体はできても、20人回る時間がかかりすぎて、ほかの学生が遊んじゃうのです。

今年はコロナウイルスの影響で、友人の大学でもオンライン授業になっているそうです。オンラインならある意味で1対多の講義ではなく、1対1ですが、40人を1人1人発音を見ていたら、やっぱり学生は遊んじゃいますね。ほかの39人を待つのは無理です。

外国語をやる以上、ちゃんと発音の練習をして口に出さないとやったことになりません。「人数が多かったら発音はさらっとで、文法や単語をやればいい」わけではないです。外国語の授業を体育や音楽のように「実技」に位置づけることってできないんでしょうかね。

中国語講師をやっていたこと

中国語仲間の1人が、かつて私が非常勤講師として行っていた高校で中国語を教えることになったそうです。

自分が関わった学校には若干の思い入れがあるので、今回、友人が後任になると聞いてうれしかったし、安心もしました。

私は高校3校、大学2校で中国語を教えたんですが、基本的にはいつでもやめたかった。若い子たちがぐんぐん上達していくのを見ると、やりがいがなかったわけではないのですが、自分が先生に向いているとは思えませんでしたし、毎年同じことの繰り返し、というのもうんざりでした。

いろいろあって(念願どおり)講師はすべてやめたのですが、教えていたときに使っていた教科書は、なんとなく残してあります。もう使うこともないから処分しようと何回も思ったんですけど。

案外、先生という仕事を楽しんでいたんでしょうか。それとも、もう二度とやらないからこそ、思い出にしておきたいんでしょうか。

懐かしくなって、引っ張り出してきちゃいました。

教科書選び

来年度から新しく担当するクラスがあるので、教科書選びをしました。

使うテキストが決められている場合はそういうものだと思って使うしかないんですが、自分で好きなのを選べと言われると入門の教科書は本当に難しい。どの教科書にも使いにくいところがあるのです。

たとえば、肯定形と疑問形ばかりで否定形が出てこない。新出単語リストに書いていない単語が本文や練習問題に使われている。これらはちょっと致命的な感じですが、ほかにも本文の話題が古い、練習問題が足りない/多すぎる、付属CDの発音が遅すぎる、各課で学ぶ文法項目が多すぎるなどなど、ぜいたくを言えばいくらでも要望があります。要望は教える対象が高校生か大学生かによっても違うし、同じ大学生でも第二外国語か中国語専攻かによっても違ってきます。

私は解決策を提案せずに批判だけする人が大嫌いで、自分もそうなりたくないのですが、もし「そんなに文句があるなら、自分で教科書を作れ」と言われてもできるもんじゃないですね。入門で学ぶべき文法項目と単語は何か、それをどういう順番で教えるか、どんな形式の教科書にするか、練習問題はどれくらい入れるか…。さらに本文はどんな話題にするか、イラストや文法以外のトピックをどれくらい入れるか…。わー、これを全部解決しなきゃならないなんて、無理、絶対。

そんなわけで私は解決策として、内容が豊富なことよりも取り組みやすいことを優先し、もし練習が足りなければプリントを作って対応することにしました。プリント作りは毎週毎週続くので正直大変なんですが、すすみ具合や理解度に合わせて調整できるので、結局一番いい方法のように思うし、私の授業はだいたいこのパターンになりつつあります。

もう1つの難問は発音指導ですが、これはまだ「解決策」が提示できません。発音は量をやらなきゃどうしようもない部分があると思うので、基本文法を教えながらだと圧倒的に時間が足りず、結局今のところは10代の耳のよさに助けられている部分が大きいです。毎回の授業にうまく少しずつ発音ブラッシュアップ練習を組み込めたらいいなと思っていて、気になるテキストも何冊かあるので、少し試行錯誤してみます。

中国語発音マスター CD付き


新発想・中国語の発音
新発想・中国語の発音 (日本語)
陳莉 (著), 董琳莉 (著)


音が見える! 中国語発音レッスン


講師と通訳と

新しい学校から来年度の非常勤講師の依頼をいただきました。

このところ、もうすっかり講師です。振り返ってみると、今年通訳としての稼動はたった1日でした。

私に力がないせいなのか、観光ガイドは苦手だと言ってる場合じゃないのか、中国人通訳が出回っちゃってるのか…といろいろ考えました。でも、先日東京の通訳仲間と連絡する機会があったのですが、「こちらでも仲間はみんな真剣に転職を考え始めている」ということなので、やっぱり政治の問題が大きいのでしょう。

そんな中で、ある程度安定した講師の仕事をさせてもらえるのは、考えてみればラッキーなことなんですよね。

ただ、これから通訳という仕事をどう考えていったらいいのか、正直考えがまとまりません。年に1日の仕事のために毎日毎日実力を落とさないようにするというのも、必要なことではあるけれど、精神的にきついです。仕事なんてどうせ来ないし、と思って自己研鑽を怠っているところにオファーが来ると、怖くて承けられないかもしれない。講師の仕事をしていたら、日程的に通訳の依頼を断らざるを得ない場合もあるでしょう。

そんなことをしてたら、その先はたぶん通訳廃業です。通訳は好きな仕事なので、簡単にあきらめたくないなあと思うんですが、こればかりはしょうがない。

月並みな結論だけど、いただいた講師の仕事を誠実にやりながら、通訳をさせてもらえる日のためにできることをするしかないですね。

プリント

授業が始まりました。4月は発音、発音、また発音です。

テキストの発音練習だけでは、とうてい足りているとは思えません。そこで毎回プリントで練習を追加します。

print

こんな感じ。ちょっとしつこいかな…? でも今は新しい外国語に興味があってやりたい気持ちにあふれている時だし、これに慣れてしまえば発音練習が苦にならなくなると思うのです。そうすれば、若いから発音も聴き取りもどんどんよくなるはず!

私の方が少々のどがきつくなってきてますが、もう少し頑張ります。