最近の子の授業態度

QianChongさんが「授業中、静かな日本人」について書いていらっしゃった。ものすごく思い当たる部分もある半面、高校での中国語教学経験で、最近の若い子にはちょっと違うタイプの子がいるなあと感じている。

学生の中には先生がしゃべっている間は絶対に口をはさまない、質問しても名指ししなければ答えない、という典型的日本人、優等生タイプもいるし、その対極で授業中勝手にしゃべる、授業と関係ないことをしている、寝ている、という困った子ちゃんもいる。

私も先生がしゃべってる間は口をはさんじゃいけないとたたき込まれた世代なので、勝手なおしゃべりには最初は頭が痛かったのだが、だんだん日数がたつにつれ、そういう困った子ちゃんがほんとうに覚えてほしいポイントを聞き逃さず「えっ、先生もう1回言って、もう1回」とか「え~難しすぎるよ~」とか、非常に素直に反応してくるときがあるんだ、ということがわかってきた。まあ考えようによっては、まだ場を考えて行動できるほど大人じゃないから勝手にしゃべるのかもしれないのだが。

今年は段ボール肉まん、毒ギョーザ、北京の大気汚染と、中国のイメージが落ちるようなニュースが多かったのだが、そんなニュースが出るたびに生徒が「ね、先生、中国、やばくない?」「あんなん、あり?」と聞いてくる1)もちろん、授業中に勝手にしゃべって聞いてくるんである。その様子を見ていると、ああ、まだまだ子どもなんだなあ、子どもたちなりに、中国のそういうニュースにショックを受けたり、不安を感じたりしてるんだなあと思う。どんなきっかけにせよ、中国語に興味をもって履修しはじめたっていうのに、こんなニュースばかり連日聞かされたら、そりゃあイヤだよね。

先生に対してもタメ口で、どんどん感情を表に出すことに最初はかちーんときていたのだが、語学なんだし、しーんと静まりかえっているよりは、わからないところはわからないとどんどん言ってもらうほうがやりやすい。まだ高校生でこれから中国語を続けるかどうかわからないわけだし、単語をたくさん覚えるより、これからもずっと隣合っていかなければならない中国という国を、自分の素直な気持ちで見たり感じたりしてもらうほうがずっと有意義だ。そして、それをぶつけてきてくれるのは私にとっても楽しい。

そう言う意味で、授業中、自由に発言することをタブーだと考えない世代が出てきていることはいいことなのかもしれないなあと思っている。

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1 もちろん、授業中に勝手にしゃべって聞いてくるんである

コメント

  1. sangshan より:

    興味深く日記を拝見しました。思うに、語学はお互いワイワイガヤガヤとやるほうが、結局は長続きするし、最終的に伸びるものかも知れません。とある先生に、思うように中国語が伸びなかったときに愚痴ったら、返ってきた返事が「楽しくやりましょう^^(原文ママ)」でしたからね。簡単なようで深い返事だったのだと、今では思います。

  2. cowley より:

    静まりかえった語学の授業は、ほんとイヤですね。授業と関係ないことをしゃべるとか収拾がつかないくらいにぎやかになってしまうのは困りますけど。
    誰かが質問して、それについてみんなでああでもないこうでもないとしゃべったことは、よく覚えてるんですよね。てきめんです。

  3. cowley より:

    こうなると遠慮がちとか消極的とかいう範疇を越えてる気がします。「生きてんのかっ!」って言いたいような。そして、そう言ったあと、生徒は自分に何を求めてるんだろうと自責の念にかられそうです。がっくりくるでしょうね…。

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