中国の友人に頼まれてちょっとした文章を翻訳しました。
コーヒーに関するものだったので、“真香”を「いい香り」と訳したのですが、友人は違うと言います。ほかにどんな意味が?と聞いたら、説明してくれました。
数年前、あるテレビ番組(ドキュメンタリーバラエティみたいなものらしい)で、都会の子が田舎暮らしを体験するという企画がありました。都会の子は田舎が嫌で、「ここのものなんか食べない」と言うのですが、結局空腹に負けて、食べてしまいます。その時のセリフが「真香!(おいしい!)」。
そこから、最初は気に入らなくて冷たい態度を取っていたのに、何かのきっかけで急に好きになってしまうときに使うのだそうです。ちょっとからかうような雰囲気なんでしょうね。
説明を聞いて納得。その文章がコーヒーのいい香りにかけて、流行語を使っているのは明らかなのですが、でも日本語はどう訳したらいいんでしょう。
2人で検討した結果、「いい香り」のまま、注を入れることになりました。
少し前にも似たようなことがありました。“太难了”と言うフレーズ。SNSに投稿された短い動画に登場したもので、つらそうな表情の中年男性が顔をおおって“我太难了”と言っています。
まあそれだけなのですが、その様子がなんとも哀愁があると言おうか、かわいそうと言おうか。このフレーズも一気にブームになりました。
日本語にしようとすると「参った」「どうしよう」「大変だ」など、いろんな訳し方ができますが、このセリフのおもしろさは映像を見ないとわかりません。
こういうさまざまなメディアから出た、ちょっとした流行語も追っていかないといけないですが、中国の流行語、消長が早すぎますよね…。
Copyright secured by Digiprove © 2021
コメント