来年度から新しく担当するクラスがあるので、教科書選びをしました。
使うテキストが決められている場合はそういうものだと思って使うしかないんですが、自分で好きなのを選べと言われると入門の教科書は本当に難しい。どの教科書にも使いにくいところがあるのです。
たとえば、肯定形と疑問形ばかりで否定形が出てこない。新出単語リストに書いていない単語が本文や練習問題に使われている。これらはちょっと致命的な感じですが、ほかにも本文の話題が古い、練習問題が足りない/多すぎる、付属CDの発音が遅すぎる、各課で学ぶ文法項目が多すぎるなどなど、ぜいたくを言えばいくらでも要望があります。要望は教える対象が高校生か大学生かによっても違うし、同じ大学生でも第二外国語か中国語専攻かによっても違ってきます。
私は解決策を提案せずに批判だけする人が大嫌いで、自分もそうなりたくないのですが、もし「そんなに文句があるなら、自分で教科書を作れ」と言われてもできるもんじゃないですね。入門で学ぶべき文法項目と単語は何か、それをどういう順番で教えるか、どんな形式の教科書にするか、練習問題はどれくらい入れるか…。さらに本文はどんな話題にするか、イラストや文法以外のトピックをどれくらい入れるか…。わー、これを全部解決しなきゃならないなんて、無理、絶対。
そんなわけで私は解決策として、内容が豊富なことよりも取り組みやすいことを優先し、もし練習が足りなければプリントを作って対応することにしました。プリント作りは毎週毎週続くので正直大変なんですが、すすみ具合や理解度に合わせて調整できるので、結局一番いい方法のように思うし、私の授業はだいたいこのパターンになりつつあります。
もう1つの難問は発音指導ですが、これはまだ「解決策」が提示できません。発音は量をやらなきゃどうしようもない部分があると思うので、基本文法を教えながらだと圧倒的に時間が足りず、結局今のところは10代の耳のよさに助けられている部分が大きいです。毎回の授業にうまく少しずつ発音ブラッシュアップ練習を組み込めたらいいなと思っていて、気になるテキストも何冊かあるので、少し試行錯誤してみます。
高田 裕子 (著)
陳莉 (著), 董琳莉 (著)
劉 雅新 (著)
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