中国危うい超大国/中国 夢と流転―庶民たちの改革開放

立て続けに中国に関する本を読んだ。

中国危うい超大国
中国危うい超大国 (日本語)
スーザン L.シャーク (著), 徳川 家広 (翻訳)


これは評判の本。中国に対しては、好きという気持ちと嫌いという気持ちが混在しており、それを否定する「もう好き嫌いという問題じゃない」とつっぱる気持ちもあったりしてなんだか複雑。書店に平積みしてある本も中国が嫌いだったり、中国が怖かったり、中国は秘境だったり、中国がお笑いだったりしているけど、この本はそういうのがすべて幻想だとはっきり言っている。明快だ。

政治や国際事情にかなり詳しくないと難しいと思う。読んでいてお手上げ、よくわからんというところも多かったけど、なんとなく読んでいてすっきりした。

中国 夢と流転―庶民たちの改革開放


もう1册は本屋で衝動買いして2日ほどで読み上げた。

私が中国にはまり始めて天安門事件が起き、その後の南巡講話を経て1990年代前半は世界中が中国を見ていたと思う。そして1994年にNHKで放送されたのが『中国~12億人の改革開放』。月1回のペースで11回の放送をテレビにかじりついて見た。その後の再放送は全部録画し、今でもとってある。テーマ曲も、曲自体がいいんだけど、番組の記憶と入り交じって、今でも聞くと鳥肌が立つ。

この本は、その番組のプロデューサーが15年前の番組取材で会った人を訪ねるという形で書かれ、ちょうど先週、番組も放送された。

中国はほんとうに変わったと思う。でも、15年前のあのエネルギーはあまり感じられなくなってしまった。エネルギーに満ちていればいいのかと言えば、そうじゃないとは思う。でも、あの頃のテレビにひきずりこまれそうになるくらいの中国のすごさが、私をここまで連れてきたのだ。そう思うとちょっと寂しい気もする。まあ、たいてい「後日談」というのは寂しいものなんだけどね。

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コメント

  1. Shira より:

    cowleyさん、こんにちは。
    東京は昨日までずっと晴れて暖かい日々でした。今日は朝から雨ですね~。雪は降りそうもありません。

    「中国 夢と流転」の紹介、ありがとうございます。先ほど注文しました。楽しみです。

    S. Shirk の本、お読みになったんですね。「中国 夢と流転」のように個人・社会を見て、Shirk の本のように指導者の考え・行動を分析して、中国を様々な角度から見るのは大切だと思います。日本だって米国だって、どこを見るかで他人に伝えることはまったく違います...。

  2. cowley より:

    Shiraさん、こんにちは。
    私は翻訳ものを読む方じゃないんです。空回りしているような言い回しがどうも苦手で。
    でも、『中国危うい超大国』はすごく読みやすかった。訳者がいいんだとすぐに思いました。Shiraさんは原文で読まれたそうですが、日本語訳もいいですよ。

  3. Shira より:

    こんにちは。今日は真っ白な富士山がよく見えました~。

    「中国 夢と流転」が届いたのですけど、出先で買った「ルポ 貧困大国アメリカ」(岩波新書)を先に読んでしまいました。Amazon.co.jp のレビュー数が 81 と、関心が高い本なのも読んで納得です。

    中国の指導者にも読んでほしい本だと思いました。

  4. こだちゃん より:

    今年はいろいろ教えていただきカタジケナク思っています
    来年も宜しくお願いします

  5. cowley より:

    こちらこそいろいろとお世話になりました。
    また1年、ご迷惑をかけると思いますがよろしく。

  6. cowley より:

    Shiraさん
    出先でふらっと買った本が大当たりということってありますね。その味が忘れられずに行く先々で本を買い、苦い思いをすることもありますが…とほほ。

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