ゆうべ、NHKスペシャル「激流中国-富人と農民工」を見た。1時間番組なのでちょうどいいから、高校の授業で見せようかなと思い、ついでに録画もしたんだけど、見ているうちに気分が重くなってきた。こんなの、見せないほうがいいかもしれない。
なんのかんの言っても、高校生は純粋である。中国にはこれほどの貧富の差があるのだということを知ると、怒りまくるか、無関係をきめこもうとするかだ。自分には関係ないという子の中には、テレビで現状を見ることしかできない自分をどうすることもできず「関係ない」ということで傷つくまいとしている子も多い。
「中国ってなんでこんななの」「金持ちの人は貧乏な人を助けてやろうとか思わないの」という疑問に、私は答えることができない。
さまざまな支援活動も行われているが、それもすべての人を助けることにはならない。自己満足だと思うこともある。
でも、何もしないでいるということもできない。何をしていいのかわからず、これでいいのかと迷い、支援活動に参加しては中途半端なことをしたんじゃないかと後悔し、そんなことの繰り返しだ。
中国にいろんな意味で縁ができた頃、NHKスペシャル「中国~12億人の改革開放」があった。自分のかかわろうとしている国をはじめて正面から見た気がした。テレビというメディアを通したものであったにせよ、いや、だからこそ衝撃は大きかった。
あの番組は再放送を録画して、今でもときどき見る。10年以上を経過し、中国も変わった。でも、農村の貧しさは少しも変わっていないように見える。やせこけた土地。出稼ぎに行く家族との別れ。貧しさから抜け出そうと大学を目指す子ども。大学改革で授業料を払わなければならなくなった分、状況は悪化しているのかもしれない。これから彼らはどうなっていくのか。
暗くなっちゃったところで。菅野よう子の作曲した「12億人の改革開放」のテーマ曲を聴くと、番組の内容があふれるように思い出されて、胸に迫る。すごく好きな曲なんだけど、CDは廃盤になって今では手に入らず、ネットオークションに出ると数万円という値段がつく。さすがに手が出ずに、いつか復刻されるのを願っていたのだが、ゆうべテレビを見たあと、昔のことを思い出しながら、ふとネットで検索をかけたら、まもなくネット販売されることがわかった。
何気なく検索したのに、予感があったのかなあ。<
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コメント
私も見ました。これが中国の現実、、、と言ってしまえば
確かにそうなのですが、そこにとても割り切れない大きな
塊が胸の中に残りました。もって行き場のない塊。。。
現実を知ること以外に出来ることが見つからず、ただただ、塊の大きさ重さに恐れおののくばかりです。
ものすごいものと関わっているのだと改めて思い知らされます。
ある程度慣れなきゃやっていけないとも思いますが、慣れすぎたくはないとも思います。どうしても年をとるにつれて鈍くなっていきますが、こういう現実を見ても何も感じない人間にはなりたくない。何もできないことの言い訳かもしれませんが。