魚のすりみボール

中国では古典ブームらしい。西安にいるとき、作家の刘心武がCCTVの《百家讲坛》红楼梦の話をしたのがブームになって、書店に関連図書が山積みになっていたのを思い出す。

ところが《百家讲坛》からまた新しいブームが起こったらしい。それが《于丹论语心得》である。于丹は北京師範大学の先生、女性だ。刘心武のときと同様、もしかしたらそれを上回るブームで本は売れる、番組のDVD(もちろん盗版も)は売れる、人民日報(海外版)でも7~8週にわたって特集が組まれる。

その記事で面白かったのが、于丹ファンの人たちを「鱼丸」ということだ。鱼丸は魚のすりみで作った肉団子、おでんのボールというかつみれというか、スープに入れたり火鍋に入れたりして食べるやつだ。

この「鱼丸」という名前について、わが師匠の解説。薬の名前に反魂丹とか万金丹とか「~丹」とつくのがあり、また征露丸とか宇津救命丸とか1)古いですね、いつものことながら「~丸」とつくのもある。「yú丹」を薬の名前に見立て、それをもじって「yú丸」とし、于とが同音であって、しかも実際に存在することばなので「鱼丸」としたのだろうとのこと。

ほほほぉー。

いつもいつも思うけど、こういうもじり方って、中国人は天才だね。もしこれを鱼丸の1人が考え出したんだとしたら、さすがに古典ファンの面目躍如ってとこでしょう。

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1 古いですね、いつものことながら

コメント

  1. Shira より:

    あっさりした魚ダシの魚丸麺は香港生活の友でしたねー。

  2. cowley より:

    うわあーおいしそうー。
    しょっぱからくすっぱい西安料理もきらいじゃないですが、やっぱり広東に勝るものはないかと。魚丸粥もおいしかったなあ。

  3. Shira より:

    私が香港に住んでいた1987-1990あたりは、「これはこういうもんだ」という伝統がまだかろうじて息づいていたように思います。

    粥と麺とを食べさせるのは「粥麺専家」で、入り口の左右に粥と麺との調理場があって、ガラス張りで外かよ見えるんですね。

    魚丸粥(ユイユンヂョッ)と注文すると、オニーサンが黙ってひしゃくで粥を手鍋に取り(広東の粥は完全に液体)、魚丸を放り込んで少し火にかけます。テーブルにはたいていガラス板があって、品書きはガラスの下に入っていましたっけ。

    昔話ですみません...。

  4. cowley より:

    ああ、テーブルのガラス板、なつかしいです。日本の中華やさんにもたまにその方式のところがありますが、香港から来てるのかなあ。
    私が広州で食べたおかゆで、丼に生の魚(おさしみ)を入れておいて、鍋で熱々にしたおかゆをその上にどぼどぼ入れるというのがありました。いいぐあいに魚に火が通って、おいしかったですねえ。

  5. Shira より:

    魚片粥(ユイピンヂョッ)ですね。よく食べましたー。薄切りだからさっと熱が通るんですね...。

    猪胆粥(レバ)・猪肚粥(ガツ)といった内臓ものもおいしかったです。赤身肉の皮蛋痩肉粥、縁起のいい名前の及第粥...。

  6. cowley より:

    及第粥は聞いたことないです。中身なんですか?

  7. Shira より:

    ちょっと調べてみたら、本名は「状元及第粥」なんですね。

    諸説あるようです。
    https://www.hebeidaily.com.cn/20041020/ca423382.htm
    https://www.gd.xinhuanet.com/rensheng/2004-09/14/content_2865180.htm

  8. cowley より:

    へええ。豚肉やモツなんかが入ってるんですね。
    それにしても科挙じゃなく、状元に及第ってとこが確かに縁起がいいです。「過橋米線」とかもそうだけど、料理の名前も故事に由来しちゃってるんですもんね。外国人にはわかんない~

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