日本翻訳連盟(JTF)のオンラインセミナーに参加しました。
連盟が定期的にやっている業界調査報告についての紹介です。今回はコロナ禍の影響と、機械翻訳利用がトピックとしてとりあげられていました。
通訳と翻訳の両方についての調査で、しかも言語別ではなかったので、かなりざっくりしたものになりそうだな、どれくらい参考になるかな、と思って受講したのですが、なかなかおもしろかったです。
母数が非常に大きいわけではないので、調査結果が統計学的に有意ではない、と注がついたものが多いとはいえ、分野別に見ると一定の傾向が現れていて、その傾向は私の実感とも合うものでした。
私は英語以外の個人翻訳者なので、なかなか情報が入りません。業界の動向について自分なりの感覚はあるのですが、それが私1人の事情なのか、自分の勝手な思い込みなのか、実際にそういう傾向があるのか、確かめるすべがないので、今回のセミナーは参加してよかったです。
まあ、動向がわかったから仕事を増やせるわけでもないのですが、今後どういうふうになっていきそうか、なんとなく予想ができそうな気がしました。
もう1つ気になっていたのは機械翻訳について。
私の登録しているエージェントは、契約時に「機械翻訳を使わないこと」と明言するところが多いです。英語ですら、機械翻訳の精度には疑問符をつける翻訳者が多いので、中国語はさらに精度が落ちるでしょう。翻訳支援ツールは使っても、自分で機械翻訳を使おうとは思いません。
しかし、ポストエディットの打診はあるんですよね。ということは、中国語の機械翻訳を使っているところがあるということです。
コストの問題とか、機械翻訳の開発に携わってるとか、ソースクライアントの要望によって機械翻訳を使うことはあるのは理解できます。とはいえ、精度が低いとわかっている訳文を直していく作業は、やっぱりやりたくない。
機械翻訳とポストエディットは、増えてきているとはいえ、まだ大勢を占めるには至っていないでしょう。なんとかその波に飲み込まれないで、仕事をやっていきたいものです。
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