楽園のカンヴァス

こんな本読んだ
ティムと織絵の物語とルソーの物語が入れ子になっているんだけど、単なる「劇中劇」という構造じゃない。ルソーの物語がなければこの小説は成り立たないし、かといってルソーの物語だけでは単純すぎて面白くもなんともない。メインはたぶんルソーの物語なんだけど、二人が解かなければならない謎がからまっている。これだけの構成を作り上げるのはすごい力量だなと思う。
とはいえ、ルソーの絵はあんまり好きじゃないので(葉っぱだけはすごいと思う)、二人がこんなに肩入れするのとか、ヤドヴィガがだんだんルソーの絵に影響されていくのを読みながら「ふうぅーん」という感じ。どうも私は、愚直に理想を追い求める人の話はつまらない。それよりも絵を奪おうとして暗躍する人たちの話の方が面白そうだなあと思ったりして。なんか、すみません。
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