日本語スピーチコンテスト

日本語学科のスピーチコンテストを見た。参加者は2年生254名から予選を勝ち抜いた24名だそうだ。

こちらは9月が新学期だから、ちょうど2年日本語を勉強した学生ということになる。よく言われることだけど、中国の学生はレベルが高い。発音にしてもスピーチの文章にしても、2年勉強しただけとは全く信じられない。

しかし同時に、スピーチ自体は「いかにも中国的」な感じがした。いかに感動させるかということに重きを置きすぎていて、とにかくやたらに人が死んだ話、足が不自由になった話、目が見えなくなった話だ。しかも、話し方にすごい抑揚をつけ、絶叫調。でもそういう話し方をすればするほど、文法のまちがい、アクセントのまちがいが出てくる。

それでも何人かは、そういう話し方をしない学生がいた。その中の1人は「学生食堂でいつもまじめに片付けをしている小柄な女の子を知りませんか。それは私です」という印象的な導入で、農村出身で父を亡くし、食堂でアルバイトをしながら勉強する境遇を語った。お父さんのお墓のまわりに「迎春花」という花が植えてあって、春になると真っ先に咲くので、その花を見るとお父さんを思い出すという内容だ。発音もきれいだし、何より自分の言葉で自分のことを話していて、いいスピーチだった。案の定、最優秀賞をとった。

発音や文法はテクニックでも、人に伝えようとする気持ちはテクニックではない、と思う。

終わって帰る途中、友だちに賞状を見せている彼女を見かけた。目がきらきらしていて、本当にうれしそうだった。

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