岐路に立つ中国と日中関係/21世紀の「中華」

川島先生の著作を2冊続けて。

かつてある現代中国関連のシンポジウムで、中国の変化のあまりの速さ、大きさに関連して「現代中国を見るには最前線の専門家(中国関係のジャーナリスト)じゃないと無理」といった発言があった。確かにその通りだとも思うが、最前線で最新の情報をリアルタイムで得ることができたとして、その意味をきちんとわかることができるのか、という問題が残る。

この2冊を読んで感じるのは、中国のふるまいは場当たり的でもなければ、実利一辺倒でもないということ。中国は歴史をていねいに理解して初めてわかることも多い。歴史といっても改革開放とか、共産党政権になってからとかの短いスパンではなく、少なくとも清末以降の中国を知らなければ。少なくともこの2冊は、そういうスタンスで描かれている。やっぱり川島先生は歴史研究者なのだなと思った。

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