中国語ができる

今日の新聞のコラムから。

「ビジネスで一番頼りになる部下は、英語が出来て仕事も出来る人。次に頼りになるのは英語は出来ないが仕事は出来る人。まー仕様がないかなーと思うのは、英語も仕事も出来ない人。最悪なのは仕事が出来ないのに英語だけ出来る人」。

ほほー、うまいこと言うね、なるほどね、と思いつつ、この「英語」というところを「中国語」に置き換えられるのはちょっとつらいなあと思った。私の友だちで就職活動中に面接で「中国語ができる人は中国語しかできないから使えない」と言われてへこんでる子がいたっけ。誰も彼もそうじゃないとは思うけど、英語を基準に中国語の力を考えるというのはどうなんでしょう。

日本人ならたいていは、いやも応もなく中学で英語を始め、高校まで6年、大学に行くなら受験で英語をやるから、英語が好きならここまででかなりのレベルになるだろう。その後はほかの専門知識を学びつつ、英語の勉強を続けることもできる。英語もビジネスもできる人材はそれほど突飛な要求じゃない。

だけど中国語は大学から勉強するのがふつうだ。ある程度のレベルになりたければ、中国語専門で4年間がっちりやらなきゃダメだろう。卒業するときにビジネスで通用する中国語を身につけていても、ビジネスそのものに関する勉強はしたことない、というのがほとんどなんじゃないだろうか。

まあ、だからといって「中国語ができることは希少価値、ほかのこと知らなくたっていい」という考えが通用するとは思わないけどね。

大学で一所懸命中国語勉強したのに、就職なくてがっくりしている大学生、いっぱいいるんです。ちょっとかわいそうになっちゃう。

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コメント

  1. sang shan より:

    「英語道」の松本先生によると、英検1級超の初段レベルさえ「映画やFENの真の理解度は60%」でした。語学の素人、かつ几帳面な一般の日本人がこれを聞いたら「…その60%の理解度で通訳しちゃっていいわけ?当然、通じてない云々の問題は起こるでしょ?」「だいたい『その程度』の理解度の人を、お金払って雇わないといけないの?」と思うことでしょう…。私の知り合いMさんも散々そういう目に遭い、英語以外の専門を持つことでやっと自由になれた…と言っています。…私は未だに60%の理解度も確たる専門もなく、未だに中国語の果てしない世界を漂流しています…ううう。「語学はツール」って誰が言い始めたんだろう…。

  2. cowley より:

    >未だに60%の理解度も確たる専門もなく
    私も同じです。数年前までは「中国語は好きでやってるだけ」という気持ちが強くて、力がないことよりも、少しずつでも力がついてきていることを喜んでいたのに、中国語でお金をいただくなんてことをしてしまったら、自分の力のないことばかりにとらわれてしまいます。
    お金をもらう以上、そうでなきゃいけないと思うんですが、ときどき息苦しくなることもあります。うう。

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