通訳をしていると、発言者が相手を見ずに通訳ばかり見てるってことによく出くわす。なるべく相手に向かってお話ししてね~と思いながら、メモ取るふりをして視線をはずしたりするんだけど、今回の仕事でまったく逆のパターンに会った。
先日行った訪問先の人たち、ものすごく親切で人なつこく、中国人側とすぐにうち解け、中国人側も1人1人の名前を覚えたりして、とても楽しそうに過ごしていた。お互い、相手の言語は全くできない。通訳がいなければコミュニケーションはとれない「ハズ」。なのに相手に向かってどんどん話し、専門分野が同じということもあって、話題がはっきりしていれば図や写真を指さしたり、身振り手振りで説明したりすればわかってしまうことも多く、話してる間もぜんぜん区切ってくれないし、相手の言いたいことがわかると、すぐにそれに答えようとして通訳に時間をくれない、という場面が何回かあったのだ。
これにはちょっと困った。
通訳者としては、適当なところで割って入って通訳するべきだと思う。お互いわかっているつもりで話していても、間違ってわかっている場合もあるだろうし、それを確認させるのも通訳の役割だと思う。
だけど、相手の言語は理解できないにも関わらず、ウンウンとうなずき、メモを取り、すぐに答えを返すという、非常に活発なコミュニケーションの場面に「ちょっとすいませーん、ま、わかってらっしゃるようだからいいかもしれないんだけど、一応ね、確認させてね~」みたいに割り込むときの、なんとも場違いな白けた感じ……。
なんか、不粋でゴメンナサイ。
たとえるのもヘンだけど、お互い憎からず思っている若い男女、ほっておけばいつかはデキちゃうだろうなあ…って感じの2人にわざわざ割って入って、あれこれ世話を焼き、「何してんの、早くしないとほかの人に取られちゃうわよ」とかけしかけてる、時代劇に出てきそうな近所のおばちゃん1)必ず体格がいいになっちゃった気分でした。
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コメント
通訳いろいろご苦労があるのですね(^^)
苦労というほどでもないんですが。ヘンな感じです。