こんなこと考えました

一時期、気の迷い(?)でかなり一生懸命英語をやっていた頃、NHK英語講座で「Hopes, love and dreams in New York (NHK CD Book―NHKラジオ英会話ストーリーブック)」というドラマをやっていた。保守的なレストランのマスターと奥さん、その息子のドラマ。奥さんは40歳すぎて大学に戻り、都市計画の仕事につこうと勉強している。自分の夢やそのために払った努力、保守的で妻は卒業したらレストランに戻ると信じて疑わない夫。その間で悩む奥さんが私にとってはすごく印象的だった。

私はアメリカ大好きという人間ではないが(むしろ逆に近いかも)、アメリカ人の、人の過去を見ずに現在や未来を見るという姿勢はとてもいいと思う。成人するような息子を持つ女の人が新しい世界を切り開いていくのを肯定するという雰囲気は、やはりまだまだ日本にはないと思う。

9年前にけがで入院していたとき、同室の25くらいの女の子が、OLをして貯金ができたのでほっておいた膝の故障を今回完全に治して、夢だった留学をするんだと言っていた。自分で稼いだお金で留学をするなんて、しっかりした子だ。しかし、同じ頃入院していた男の子(20そこそこだったと思う)とおしゃべりをしていてその話になったとき、彼は「25にもなって留学してどうすんの」と言った。彼女は「うーん、でも25ってまだまだなのよ」とだけ言ったが、私はひどいこと言うと憤慨した(若いのに!)。そして、彼の考えが日本人の典型的な考え方なのかもしれないと思ってとてもがっかりした。

私がこの年で大学院に行き、留学をするということも同じように(いや、もっと冷たい目で)見られるのが普通なんだろうなあ。でも、私はそれでひっこむような可愛い性格じゃないんだよね。

HSKも単純な試験好き(実は試験前の訓練のほうがもっと好き)とか、留学にあたって迷惑をかけたりお世話になった人に目に見える形で成果を見せたいとか、いろんな理由があってがんばったのだが、根本的な理由は、回りのそういう見方への反発だったのかもしれない…

なーんてことを、HSK間近でラストスパートをかけている同屋を見て考えました。

Digiprove sealCopyright secured by Digiprove © 2020

コメント

  1. sang shan より:

    こんにちは、お久しぶりです☆
    ここに来る度に、ナゼか中国ではなく札幌での思い出が蘇り、
    またcowleyさんに会いたいな…と思ってしまう私です。
    (帰国後、名古屋に来る用事はありませんか?イエイエ、ホントに)。

    さて、上記についてですが…、
    私自身は母が看護婦で(というより、一家の生活のため)ずっと働いており、
    そのせいか「女性でも自分の経済的基盤を持つこと」
    あるいは「一回しかない人生、自分の好きなことをやり遂げる」ということについて、
    非常に暖かい眼差しを持っていたのではないかと思います。
    (もちろん、父も含め…)。

    年齢や性別で判断されるのは、やっぱり少し悲しいものがあります。
    自分が「負け犬」世代になったから、余計でしょうか(笑)?

    自分の人生、自分がやりたいことをやり遂げられるなら、
    本当にそれで本望ですよね。
    また、チャレンジしようとする人に対して、
    暖かい眼差しで見れる人間でありたいと思います☆

  2. cowley より:

    sang shanさん、お久しぶりです。
    日本の男性って、40代50代の働き盛り、会社の屋台骨を背負う年齢で留学するなんてまず絶対ないですよね。仕事や家庭に対して責任感があるからなんだと思いますが、頭が固いなあとも思います。そして、自分はそうしないから回りにもさせないというのはやっぱ寛容じゃないと思います。
    とはいえ私も、近所の人たちなんかと話すときには「留学を許してくれるような理解のある夫をもって幸せ」という雰囲気を前面に押し出し、自分のやりたいことを追求するためということはこれっぽっちも言わないようにしてます。これは世渡り術なんですが、そういう演技をしてるときはやっぱ寂しい気がしますね。

タイトルとURLをコピーしました