中国人同学に、ある中国語の使い方について質問したのだが、その後「お互い、語学は難しいよね」という話になった。
3月末に橋本元首相が中国を訪問した際、胡錦涛国家主席が「小泉首相が靖国参拝をやめれば首脳会談に応じてもいい」と言ったことを、安倍官房長官と麻生外相が批判したというニュースがあった。
同学はそのニュースで使われていた「条件化はおかしい」の「おかしい」がどういう意味なのか、わかりづらいと言う。「奇怪」なのか、「可笑」なのか、これだけでずいぶん雰囲気が違うというのだ。彼は日本語よりもむしろ英語のほうが達者なので、英語に訳されたニュースをネットで見て「可笑」ではないことを理解したようだが、これは誤解を招きやすいと言う。
日本人だったら、こうした公式の発言で「可笑」の意味で「おかしい」という言葉を使うことはまずないということは、感覚としてわかっている。「条件化はおかしい」とされていれば、靖国参拝をやめることを首脳会談の条件にするのは問題が違うんじゃないのか、ということをどちらかといえば「まじめな誠意ある姿勢で」言っているのだ、と解釈するだろう。
日本人の通訳者なり翻訳者だったらこの「おかしい」を「可笑」と訳すはずはないんだけど、中国人だったらどうだろう。よっぽどレベルの高い通訳者・翻訳者ならそんなことはないとしても、日本語をちょっと勉強した程度の中国人が誤解する可能性はゼロではない。
とはいえ、いちいち「外国語に訳したらどうなるか」と気にしつつ何かをしゃべるというのも難しい話だろう。
同学は「日本語、難しい…」と暗くなっていたが、私だって「中国語、難しい…」と言いたい。お互い、がんばろー。
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