おかえりなさい

日々のこと


この写真を見てピンと来た方。6月1日の日記を見てくれた方ですね。

そうです、あのお皿が新しい姿になって帰って来たのです!!

お世話になったのはぬしやさん。「金継ぎ」という技法で器を修理してくれる工房です。

お皿が割れたと書き込んだ後、私のブログにしてはかなりの反響がありました。直接「直せるといいね」と言ってくれた友だちも何人かいたんですが、その反響がきっかけになりました。

コメント欄にも書きましたが、映画『初恋のきた道』で┌┐型の釘を使って茶碗を直しているシーンがあって、「日本にもこんな技術ってないんだろうか」っていう話になったんですが、よく考えたら日本ほど手先の器用な国でそういう技術がないわけがない、と思い始めたんですね。直すためというよりも興味が湧いてネットであれこれ調べているうちに見つかったのが「金継ぎ」です。

ぬしやさんのサイトを見てもらえばわかりますが、確かにこういうふうに器に金色の筋が入っているのをみたこと、あります。ばくぜんと何だろうとは思ったりしたけど、まさか漆を使って修理したあとだとは。もうン十年も日本人やってますが、寡聞にして知りませんでした。

サイトを見ているうちにだんぜん「ここで修理してもらおう」と思っちゃいました。父はやたらに器用で、定年退職後に始めた趣味はほとんどが手作り系、表装と篆刻はセミプロレベルでした。やきものは上手とは言えなかったですが、父が焼いた皿を直すのはこの技法しかないって。

修理代はもちろん「瞬間接着剤でペタ」というレベルではないですが、その値段をきちんと1つ1つ表示してあるところも職人さんのプライドと良心を感じたので、ブログの写真を早速送り、状況を説明しました。一番の心配は「素人の作ったもので、修理できない質だ」ということでしたが、すぐに返事が来て「大丈夫です、お父さまの思い出の品、心をこめて修理させていただきます」とのことで、お願いすることにしました。

待つこと6ヶ月、加賀でじっくり養生したお皿が帰ってきました。金を使わずにお皿の色に合わせてほしいというリクエストに応えて、深い緑の漆です。父は「そんなにお金かけなくていいんだよ」と言いながら、きっと喜んでくれてるだろうと思います。

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コメント

  1. Shira より:

    おかえりなさいー!

    こういうのって、なんだかうれしいですね。。。

    ねえ、皿君、もう落ちるんでないよ。

  2. こだちゃん より:

    最近ブログにお邪魔しているので
    このお皿のことは知りませんでしたが直ってよかったですね
    大事にしている物ってありますから
    大事にしている物を大事に直してくれる人が身内意外でも
    いるって何だか嬉しいです(他人の話でも)(^^)

  3. cowley より:

    >Shiraさん
    もう落ちてほしくないです。こんど割れたら…どうしよう。
    >こだちゃんさん
    大事にしているといえば聞こえはいいですが、「金継ぎ」ってどんななの、と興味があったんですよね。
    ま、このミーハーな性格も父譲り。

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