道東で開かれた水産物アジア向け商談会の通訳をやりました。
畜産はいろいろやったんですけど、水産は初めて、本格的な商談会も初めてでちょっと緊張しましたが、バイヤーさんたちは私が担当した方を含め、みなさんスマートで楽しい方ばかり。漁港のせりの見学もあったんですが、そのせりの声をものすごく上手にまねする方がいて、最後のさよならパーティで私たち通訳を含めた女性陣をならべて英語でせりをやって全員が大爆笑。すっかりみんな仲良くなって、お別れするのが名残惜しかったです。
肝心の通訳のほうですが…事前に貿易の基本的な知識を仕入れておいたのが役に立ちました。心配だったのは中国語でいろんな言い方があったり、訳語がみつからなかったりする魚の名前だったんですが、さすがに日本の食材専門のバイヤーさんたちで、ほぼ全部日本語をそのまま使っていらっしゃいました。中国語や英語の中に「ikura、kombu、hotate、samma」などがばんばん入ってくるんですよ~。
ところで今回、わからなくてあせった言葉がありました。バイヤーさんがある食材の価格を質問したんですが、企業の方の答えが「くらまえキロ○○円でやってます」。私「……」。
たぶん私の頭の上にでっかく「?」が浮かんでいるのが見えたのでしょう。企業の方がすぐに「あ、工場出し価格ね」と言い直してくださってやっと「出厂价」だとわかりました。「蔵前」とおっしゃったんですね。
地元で水産物にかかわる方なら誰でもわかって、たぶん一番使われているだろうこの言葉、どんなテキストにも参考書にももちろん書いてなく…。こういうのに出くわすと、ほんとに言葉っておもしろいと思います。ほかにもこの言葉を使っている企業さんが何社かあり、私は「来た来た」とちょっと胸を張り気味に訳しちゃいました。
その後応用編の言葉も出てきました。「はままえ」。すでに「蔵前」で学習済みだったので、「浜前」つまりせり落としてそのまま卸す場合、加工前の価格だとすぐにわかりました。えへん。ま、中国語でそれをなんと言うかはわからなくて「加工前的批发价格」と言うしかなかったんですけどね。
せりを待つ鮭のみなさんです。
Copyright secured by Digiprove © 2019
コメント