ライティング・ゼミの課題にダメ出しされた時だけ味わえること

エッセイ

天狼院ライティング・ゼミを受講し始めて、これまでに4本の課題を提出した。1本目はビギナーズ・ラックでWeb天狼院書店に掲載になったが、ほかの3本はアウトだった。

やれやれ、やっぱり。

自信があったと言い切れるわけではなく、なんとなくモヤっとした状態のまま、締め切りが来て提出したから、しかたない。それでも講義の内容を思い出しながら、考え直し、書き直した文章だったから、どこか「ダメだろうな」という予感と同時に、「もしかしたら力を入れたところを評価してもらえるかもしれない」という期待もあった。

「掲載は見送ります」のひと言は思ったよりこたえる。しかもフィードバックを読むと、自分でモヤっとしていたポイントがみごとに指摘されているので、もう素っ裸にされているような気分になってしまう。

こういう時、ほかの人はどういう心境になるのかな。私はわりとひきずるたちである。といっても、ひきずっている間に2つのステージを経るのがいつものパターンだ。

まず最初は、心の中で口ごたえし、屁理屈をこねる反発ステージ。

どうせ素人だもんね。別にライターになりたいわけじゃないし。ネットでバズることがそんなにすごいことなのかな。私は友だちがブログ見てくれるだけでいいんだよね……

うまく書けた部分を思い出して自分をほめたりもする。

あの段落はけっこう書けてたと思う。ダメなところがあるからって、あの段落もボツにされるなんて、情け容赦ないなあ……

このステージが2日から4日くらい続く。くよくよ考えて眠れず、負のオーラが出て、肌荒れする。異常に食欲が出たり、極端に食欲がなくなったりする。

けっこうきつい。でも、このステージを経ないとどうしても先へ進めないのだ。

いいかげん悪態をつき尽くして、寝不足と肌荒れが頂点に達すると、雲が切れて陽が差すようにふんわりと次のステージに入る。反省ステージだ。

いや、やっぱり、自分では書けてたつもりだっただけで、適当なところで手を打っちゃったのかもしれない。締め切りまでもう1日あったんだから、ギリギリまで粘ればよかった。めんどうがらずに、途中で思いついた別の展開にすれば、指摘された部分はクリアできてたよね。書き直してみればよかった。結局、全部、自分のあと一歩が足りなかっただけなんだろうな……

それに、ネットでバズる必要なんてないと思ったけど、じゃあ自分はどんな媒体で書きたいんだろう。そもそも、紙媒体で書けるような力もないし、書かせてもらえるような人間でもない。

それに、Webはもうすでに媒体としては最大規模だ。私がちまちまとブログを始めた十数年前とはまったく状況が違う。もちろん、書籍化というのは今でもステータスではあるけど、多くの人が、まずネットでバズるところから、そこへ到達しているのだろう。

Webは書きたい人は誰でも書ける、開かれた場所だ。でも逆に考えれば、今はもうWebで書かなければ、書くところがない時代になっているんじゃないだろうか。

そもそも、自分は何のために文章を書いているのだろう。なぜ頼まれたわけでもないのに、わざわざお金を払い、時間を使い、エネルギーを費やしてライティング・ゼミを受け、文章を書いているのだろう。

文章を書くのは本当にきつい。ネタを探すのがきつい。書くのがきつい。読み返して直すのがきつい。いつでも締め切りが頭にあるのがきつい。そんなにきつかったら、やめていいのに。

いいえ、それでも私は書きたい! と言えば美しいかもしれないけど、実はそうは思わない。

私は、自分をダメだと思いながら過ごした数日から、逆転して前向きになり、ダメ出しを「そうだよね」と受け入れ、もう一度自分のやっていることを肯定して、次の一歩を踏み出すという、そのプロセスが好きなのだと思う。

子どもの頃から、ほめられるのが苦手だった。照れくさいというよりは、なんとなく拍子抜けしてしまうのだ。あ、これでいいのね、これで終わりなのね、と感じてしまう。

反対によくないところを指摘され、悔しい思いをして、「なんとかしてやる」と身体に力がみなぎるのが好きだった。指摘されたところを克服しても、それに気づかれないこともあるが、それはどうでもよくて、自分で克服できたと思うことがうれしかった。

今でも、そういう性格なのである。やっていることは子どもの頃と違って難しくなったし、受ける指摘も単純ではなくなった。だから、よくないところを指摘された後の落ち込みも長く、深くなった。同時に、それを克服した時、自然に視線が上がって視界が広がる感じや、地面を踏みしめているような確かさも、子どもの頃とは違う。

その感覚をまた味わいたくてライティング・ゼミを受けている。といったら怒られるかな。それに、あえてダメ出しされたいわけでもない。前を向いて、次の一歩を踏み出して、また掲載を目指して書こう。

(初出:「天狼院書店 メディアグランプリ」2025年4月10日 ライティング・ゼミの課題にダメ出しされた時だけ味わえること

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