
Macau 2003
昼下がり。
街のはずれに近い
住宅地の坂をおりきったところに
その家は建っていた。
思わず目を奪われた。
風が吹くと、白い服の男たちの広東語が
とぎれとぎれに聞こえる。
カジノの喧騒と無縁のこの場所では、
鮮やかなピンクは むしろ誇り高い色に思えた。

Pusan 2002
聞いていたとおりの岩山だ。
しがみつくように一歩一歩登っていくと汗がふきだす。
頭の中が登ることでいっぱいになった頃、山門が見えた。
見上げていると、自分の息づかいばかりが聞こえる。
色あざやかな門も
額のハングルも見慣れなかったけれど、
汗まみれの顔に吹く風は
確かにそこが祈りの場であることを教えてくれていた。
