独学術

自学こそが本当の学びという主旨には賛成できるけど、偏見に満ち、自己顕示欲ばかりが見える文章にうんざり。
バングラデシュは貧乏だから見るべき文化がない(p44)、『共産党宣言』は幼稚(p58)、『論語』は中国官僚の処世術にすぎない(p114)、ウェーバーの論は狭い(p154)…。さらに専門家が積み重ねてきた研究を無視して、フロイス1人が書いた本だけを根拠に江戸時代は野蛮な時代だったと決めつける(p98)。
ヨーロッパ至上主義、ヨーロッパの言語や文化を学んだ自分は高級だといいたいだけだ。しかも自分の印象や好みだけでものを言い、客観的研究の態度とはほど遠い。

トラクターの世界史 – 人類の歴史を変えた「鉄の馬」たち

モノから見る視点のおもしろさを実感。時代と場所と人がモノを変え、モノが時代と場所と人を変える。
社会主義とトラクターは親和性が高い気がするが、実際にはそうはならなかった。もしソ連や中国でトラクター利用がもっとうまくいっていたら、社会主義はもう少し生き延びていたのかもしれないなどと思ってしまった。
11月5日朝日新聞書評に掲載。