全国通訳案内士のバッジができました

友人からの情報で、全国通訳案内士のバッジができたことを知りました。

どうしたら入手できるかはまだ書いてありませんが、お金を出して買うことになるのでしょうね。私は通訳案内士としてはまったく稼働していないのですが、中国人の友人が遊びに来たときにつけて歩いてみたい(笑)。

通訳案内士の制度はすっかり変わってしまい、2018年以前の資格取得者はまず1回講習を受け、その後は5年に1度講習を受けなければならなくなりました。とりあえず1回目の講習は終わらせていますが、今後の講習は(有料だし)少々おっくうです。

アジアからの観光客がどっと増えた頃、世の中では通訳案内士の需要が増えると言っていたし、私も「仕事忙しいでしょう」とよく言われましたが、実際にはそんなことはありませんでした。団体旅行には闇ガイドがつきますし、個人旅行でも、中国人はお金を出してガイドを雇うという発想はあまりありませんから。最近は、ホテルもお店も、中国人従業員を雇ったり、中国語の張り紙を作ったりしてなんとか対応できています。

それに、そもそもガイドなど雇わなくてもSNSの情報で旅行ができてしまいますから、通訳案内士という仕事自体が必要のない時代になったと思います。私は職業としてガイドをやることはもうないでしょう。

まだ中国語を仕事にするとは考えていない学習者だった頃、通訳案内士試験にチャレンジするかどうか迷っていたら、先輩に「受けなさいよ。資格は荷物にはならないわよ」と言われました。でもお金をかけて講習を受けなければ維持できないなら、荷物といえなくもないですね。

講習なんて受けず、資格を捨ててもいいんですが、せっかく勉強して合格したんだし、やっぱり捨てられない気持ちもあります。外国語関連では唯一の国家資格なので、中国語で仕事をしていれば、実力の証明にもなることもあります。きっとバッジも買うし、重い腰を上げて講習も受けるでしょう。観光庁の思惑にはまっている気もしますけどね。

くそ度胸をつけましょう

同学から急に「通訳するとき、気をつけることって何ですか」と聞かれました。何だろう、体調を整えることかなあ。でもなぜそんなことを?

聞けば、会社の業務で中国の支社に出張し、通訳をするように言われたそうです。その人は中国語の実力も十分あるし、通訳もうまい。何の問題もないと思ったんですが、実際に通訳した経験が少なく、会社の人が中国人社員と比較して、「ちゃんとできてんの?」みたいなコメントをするので自信がないとのこと。

なんなんでしょう、その人。中国人社員の通訳を聞いていると、日本側の言ってることと違うことを言ってることがあるそうなので、会社の人は中国語もわからないのに、自分がわかる日本語をしゃべる中国人を高く評価してるんですよね。

そういう事情なら、答えはただ一つ。

くそ度胸をつけること。

これはまあいろいろな言い方ができて、「くそ度胸をつける」とも言えるし、「根拠のない自信をもつ」とも言えるし、「自分を信じる」とも言えるし、「自分に暗示をかける」とも言えるし。とにかく「できない」という考えを自分の中から追い出すことです。たぶん通訳者はみんなこれをやってるんじゃないだろうか。

具体的には「できなかったらどうしよう」という考えが浮かびだしたら、急に別のことをするとか、誰かと話すとか、歌を歌うとか、その考えを無理やり消す。メンタルトレーニングみたいなもんです。

通訳をやることが決まってて、その時になったらもうやるしかない。それを積み重ねることで、さらにくそ度胸がつくようになるという好循環が生まれます(のはず)。

ぜったい大丈夫、帰国後のいい報告を待ってます!

展示会の仕事

1月2月はシーズンなんでしょうか。たてつづけに展示会の仕事をしました。「バイリンガルスタッフ」という名前ですが、実際にはいろいろな仕事がありました。

展示会の仕事は以前にもやったことがあります。企業ブースを1つ割り当てられ、来たお客様に商品の紹介をしたり、質問に答えたりするときの通訳をするのが基本。事前に担当企業を聞いてホームページを確認し、主力商品や当日出展される商品の情報があれば説明に使いそうな単語をリストアップして準備します。

でもそこから先、当日の様子はいろいろです。たとえば今回いくつかやった展示会のうち、1つは完全に「販売員」でした。扱っているものが大量生産品ではなく、1点ものだったので、必然的にそうなりますね。金額交渉やお金のやりとり、商品に対する細かい質問が多く、気疲れしました。

別の展示会は完全に企業の周知と製品の紹介だけ。会社の所在地とか、対応できる業務の範囲とかが多かったです。ただ、製品は専門的なものだったので事前勉強がけっこう大変でした。

スタッフへの待遇もいろいろ。完全に立ちっぱなしのところもあれば、「人がいなかったら座って休んでね」と言われることもあれば、勝手に座っちゃっても気にしない会社もある。お昼休みもブースに人がいなくならないよう、1人ずつ時間を管理する会社もあれば、午後3時すぎてもお昼休みの声がかからない会社もある。あとでわかったのですが、自分で様子を見ながら勝手に行けばいいので、声をかけなかったらしい。最初に言ってよ。

もう1つ。ある展示会で、できる外国語を書いたカードを胸につけたんですが、たいていはそんなものはありません。こっちで中国語圏らしい人を判断して声をかけるのですが、なぜか中国語で声をかけると機嫌が悪くなって英語で返してくるお客様もいて、なかなか難しいなあ…と思っていたのですが、ふと思い出して、以前札幌商工会議所でもらった「語学バッジ」をつけてみることにしました。


小さいですし、バッジばかり気にしている人もいないので、てきめんというわけではないですが、声をかけたら顔とこのバッジを見て「中国語できるの」と言ってくれたお客様がいました。思いつきでつけてみた結果はまあまあです。

調べてみると、「外国語話せますバッジ」って市販されているんですね。これは「SAPPORO」と入っちゃってるので、市販のを買ってもいいかなと思ったんですが、中国の国旗がついていてNG。中国語を話すのは中国の人だけじゃないので。

登録変更

引っ越したので、通訳案内士の登録変更に行ってきました。

一緒に中国語を勉強していた友人や先輩が次々と合格していたので「じゃ私も」という感じで受験し、合格より前に通訳の仕事を始めたのですが、アテンド通訳ではガイド的な仕事がありますし、通訳案内士資格を要求される案件もあるので、取っておいて損はなかったと思います。

登録は都道府県単位。今回の転居は道を出たので、登録変更とは言っていますが、実際には登録しなおしです。変更届、旧登録カード、住民票、切手、収入証紙(4000円!)を準備し、半日つぶれました。

運転免許証は住所の書き換えだけなのと比べると、煩雑です。国家試験を受けた全国版の資格なのに、全国で管理できないんでしょうか。観光事業が自治体の縦割りから脱却できていないことがわかります。

登録を受け付けてくれた部署には外国語版観光パンフがたくさんあったのですが、県や市町村単位のものばかり。観光客は都道府県をまたいで移動するのに、これじゃ不便です。以前、サイクルツーリズム関連の通訳をしたとき、お客さまが「サイクリスト用地図アプリはいいけど、市町村ごとに違うアプリだから使いづらい」と言っていました。外国人観光客誘致拡大って言っているわりに、観光客の利便性を考えてないなあと思います。

私は資格登録だけなので不便といってもたいしたことはないんですが、今年から制度が変わって5年ごとの更新になったので、そのたびにこうやって登録しなきゃならないとしたらちょっとめんどう。まあ、そもそも試験に合格しなくてもガイドができるようになりましたしね。この資格はいずれ消えてなくなってしまうでしょう。

ラッキー

かなり正式な歓迎パーティの仕事。とはいえ正式なあいさつは正式な通訳がやり、私は2人のテーブルスピーチの担当でした。

エージェントにも、主催者にも、原稿は出ないと言われていたし、これまでもフランクなテーブルスピーチで原稿が出たためしはないのであきらめていました。正式な通訳はちゃんと訳さなきゃダメですが、言うことはだいたい決まっています。でもテーブルスピーチはどんな話題が出るか、わかりません。スピーカーの経歴だけはチェックして、あとはぶっつけ本番でやるしかありません。

会場でスタンバイしていると、スピーカーの1人が早めにいらっしゃいました。「通訳を担当します」とごあいさつをし、ついでにダメ元で「どんな話をされるか、もし決めていらっしゃったら教えていただけると助かります」と言うと、「ああそうか。話すこと、メモしてあるんだよね。コピーしてくればよかったなあ」。

欣喜雀躍。会場のスタッフを呼び、コピーをお願いして、本番までの短い間に目を通すことができました。

スピーチは予想どおり、少しユーモアをまじえたもので、途中、私の訳で中国側のお客様がどっと笑ったときには思わず「やった!」と思いました。これも、スピーチメモ(というより、ほぼ原稿だった)をいただけたおかげです。あきらめずに聞いてみてよかった。

もう1人は原稿なし。こちらもユーモアたっぷりのたのしいスピーチでした。実は、今回の中国側のお客様は先日の仕事のお客様と同じ省の方で、先日「うちの省ではこういうんだよ」とあるものの名前を教えてもらっていました。なんと、このスピーチにそれが出てきたのです!

日本側がスピーチでわざわざ話題にするのですから、現地では有名なものに違いない。それはごく普通の単語で、普通話で何と言うかはわかっていたのですが、その教えてもらった言い方で訳しました。中国側のお客様、大喜びで拍手(拍手は通訳にではなく、スピーチの内容に対して、ですけど)。こちらも「やった!」と思いました。

ラッキーが2つも重なり、帰路についても少し興奮していました。それにしても、通訳は貪欲に情報を集めて自分のものにしなければいけないと、改めて痛感しました。