値切り交渉もちょっとだけ

中国で苦手なもの、それは値切り交渉。中国語じょうずなんだからできるでしょうと言われるけど、そういうんじゃないんだよね。

地元の人にはそれをいくらくらいで買ったら適切かという「常識」があって、売るほうはそれより高くいい、買うほうはそれより安くいい、あれこれやりとりして最後には「常識」的な値段に落ち着く、というのが正しい値切り交渉なんだと思う。たまに中国では値切れるからできるだけねばったほうがいいとか言ってやみくもに安い値段を言い張っているのを見かけるけど、そういうのって空気が読めてなくてがめつく見える。日本では値切り交渉なんてしたことないんだし、すごく浮いちゃってると思う。だったら言われたままお金払うほうが気が楽じゃないかなあと思うのだ。

でも最近は少し「常識」的な値段がわかるようになってきた。このあいだDVDケースを買うとき、8元というので「8元かあ。どうしよう。安いのでいいかなあ」と迷ったふりをしていたら「7元でいいよ」と言うのですかさず「6元ではダメ?」と聞いたらあっさり6元になった。こういうときよく「もっとねばれば5元になったかも」という人がいるけど、私は流れるようなタイミングで6元になったということが快感だった。

今日は道端の果物の屋台で龍眼を見つけ、いくらか聞いたら1斤12元という。網袋に入っているので1袋ごとに買わなきゃならない。はかってもらったら1斤あったので「1人なんだからそんなにいらないんだよね」と言ったら「じゃ、小さい袋にしたら」とはかってくれたら10.7元。「10.7…」と迷ったら「10元、10元」と下げてくれた。10元出すと、袋に龍眼といっしょに「これも食べて」とみかんを2個入れてくれた。思わず「わっ、ありがとう」と口に出た。

中国人は値切るのも上手だけど、うまく値切らせて気持ちよくさせるのも上手なのかもしれない。

Digiprove sealCopyright secured by Digiprove © 2020

コメント

  1. cowley より:

    うっ…痛い思い出ですね。
    日本人が中国に来て支払いの際にトラブルになり、最後は「いいよ、大した値段じゃないんだから払えばいいんでしょう」みたいな言い方をするのを見ることがありますが、それは相手をバカにしてると思います。たいていは最初に金額を聞き取れていないのに確認しなかったとか、ちょっとしたことだと思うんですが。
    私も値切れなくて言われたまま払うときは「高いお金を払って損だ」というより、よそ者だということを告白しなければならないみたいな恥ずかしい気持ちがします。
    「金持ちの国からふわりと舞い降りたヤツ」というのはぴったりの表現ですね。

  2. Shira より:

    物価がとても安い国では自分のことを
    「金持ちの国からふわりと舞い降りたヤツ」
    と思ってました。

    いつだったかインドネシアでタクシーに乗ったときに帰りの高速料金(だったかな?)を払ったら
    「これはとてももらえない」
    と返されたのが思い出に残っています。

タイトルとURLをコピーしました