婚活マエストロ

こんな本読んだ
婚活マエストロとはぶっとんだ設定だけど、実は正統派の恋物語だと思う。婚活って何だ、鏡原さんってすごい、と追っていたはずの健人が、あるところで改行されたら、完全に恋する男になっている。そういうふうにいつの間にか恋してることってあるね。
鏡原さんではないけど、実は読者には最初から2人の未来の匂いがしている。伏線というんじゃないけど、この小説、うまくしかけてある。
宮島未奈の作品でいつも関心するのは、地元のデパートとか、サイゼリヤとか、なか卯とか、身近にあるお店やブランドが当たり前に出てくること。実際にあるお店の名前なんかを取り入れてる小説で、わざとらしかったり鼻についたりするものが多いけど、この人の小説はそんなことがない。自分の立っている地面の先にこの物語があるという、体温みたいなものが感じられる。達者な作家だと思う。

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