TRADOS講習を受けてきました

長年翻訳をやっていてTRADOSはもちろん知っていたのですが、昔の「高い!」というイメージもあるし、TRADOSを使うような大型案件もないし、というのでずっと手を出さないできました。

でもここ2年ほど、大型案件ではないけど、同じ分野の案件が続けて出るようになり、ああ、この表現、前見たなあということが続くようになりました。

さすがに単語はリストを作って管理しているのですが、リストに入れ忘れたりして見つからないこともあったり、そもそもエクセル立ち上げて検索してというのがめんどうだったり。これでも昔は便利だと思っていましたが、人間ってどんどん無精になりますね。

それでTRADOS導入を考え始めたんですが、決定的だったのが、昔からの中国語仲間のこと。おうちの都合で仕事をやめて翻訳者デビューしたのですが、まず真っ先にTRADOSを買ったというのです。「使えるものは使えばいいでしょ」と。

そうか、今翻訳を始めようという人は、そういう考え方なのね。私、すっかり化石です…。対抗意識ではなくて、使えるものは使おうというさっぱりした考えに、目からうろこでした。

値段が以前よりだいぶ下がっているし、TRADOSを導入できるくらいの稼ぎはあるので、検討してみることにして、とりあえず1度講習を受けて、使えそうかどうか、必要かどうかを見極めることに。しばらく忙しくてなかなか日程がとれなかったのですが、やっとすきまの時間がとれて先日、講習会に参加しました。

講習では日英の校閲者とフランス語の翻訳者と私、バラエティに富んでいました。みなさんプロなので、飲み込みも早いし、的確な質問をして、きびきびした雰囲気で、楽しかったです。講習もきちんと手順を踏み、ほとんどの時間、実際にTRADOSを使って進んだので、とてもよくわかりました。最終的な感触は「これは使えそうだな」。

TRADOSのHPから1か月のトライアルバージョンをダウンロードできるので、さっそく使ってみています。これまでpinconvでは上下に原文と訳文を見ていたので、TRADOSの左右で見るというのが慣れません。人間ってこういう小さいところにひっかかるんですね。でも機能は、これがやれたらいいなと思っていたことは全部できるので、あとは慣れれば大丈夫そうです。

今のところは買うつもりでいますが、とりあえず1か月使ってみます。

国会図書館に行きました

実務翻訳がメインなので、いつもは技術関係やビジネス関係ばかり訳していますが、たまに学術書や学術論文の翻訳を手がけることがあります。そういうものは引用に気を使います。

先日もある学術的な文章を訳していて、変わった表現にぶつかりました。変わってるというのは、それまでの文体とちょっと違う気がしたということです。

意味はわかったので最初はそのまま訳したのですが、「おもしろい表現だなあ」とひっかかったので、百度で検索にかけたところ、なんと毛沢東の著作にある表現だったのです!!

こうなると、必ず原文にあたらなければなりません。毛沢東の著作なら、すでに日本語訳が出ている可能性も高い。最終的にどういう訳にするかは別にして、訳書があるか探し、あればそれにもあたる必要があります。

さすがに毛沢東の著作なので、原文は百度ですぐに見つかりました。これを訳すわけではないので、どんな内容の本で、どんなふうに使われているかわかれば、まあいいです。

次に書名を手がかりに、日本語訳がないかを探します。こういうとき漢字はありがたい。日本語訳の書名が中国語の書名とほとんど同じであることが多いからです。アルファベット言語はそうはいかないかもしれません。

Amazonでは見つからなかったので、国会図書館のサイトで検索したら、ありました。やっぱり訳書が出ていました。かなり古い本だったのでAmazonにはなかったわけです。先にこっちを探せばよかった。

ということで、国会図書館にでかけて行きました。その本はすでにデジタル化されていたので、館内のPCでデジタル版を見て該当箇所を探し、プリントを申請して、もらってきました。わずか15分。無事に探索終了です。

たった数文字にこれだけの手間をかけなきゃいけないのは、大変と言えば大変ですが、検索してこんなにあっさり見つかったということは、知っている人は知っている表現だということです。私が不勉強で知らなかっただけ。和歌の本歌取りみたいなもので、著者は「この表現、わかるよね」と思いながら使っているわけですから、「はい、わかります」と訳さなければなりません。

手間ひまかけるのが大変というよりも、あのとき「ん?」とひっかかって検索かけてみたのがすごいぞ、自分! とても達成感のある探索でした。

神去なあなあ日常

出版からだいぶたったけど、やっと読めた。
私はお仕事小説が好きなので、前作の「なあなあ日常」を楽しく読んだ。今作も楽しかったけど、神去村の人々のことがメインで、お仕事については期待したほどではなかったかな。
今作で印象に残ったのは20年前のことについて話すヨキ。山は、生きている人とあちらの世界の境界にある、というのが皮膚からわかってくるようなエピソードだった。ある意味で、この部分だけで十分お仕事小説になっていると言えるかもしれない。

北京へ行ってきました

遅ればせながら、年末に行った北京旅行について。

一昨年、去年は本当に忙しく、「やらなければならないこと」を期日どおりに間違いなくやることだけで終わってしまいました。自分の中で、仕事、趣味、義理、やりたいこと、やらなければならないこと…などに優先順位をつけているので、断れるものは断ればいいのですが、断れないこと、やらなければならないことだけで過ぎていった感じです。

そんなこんなでもう本当に疲れ果て、とにかく現実から逃げよう…という北京旅行。それでもパソコンは持っていき、どうしてもという仕事を途中でやったのですが。

今回はあまりうろうろせず、北京の街なかをのんびり散歩したり、北京話に耳を傾けたり、ホテルの部屋でお茶を飲んだりして過ごしました。旅行といっても初めての場所に行くと、観光や買い物に追われてしまいます。北京なら、今さら観光でもないよね、とのんびりできそうだったので選んだというわけ。

 

前門のスタバ。前門は香港資本で再開発したという話を聞きました。老北京のムードを残した再開発で、すでに観光スポット、テーマパークという感じでした。時代ですね。

 

うふふ。確かに。凍るね。


 

今回食べたもので一番おいしかった萝卜皮。永遠に食べていられると思います。


 

結論:人には休みが必要。

本当に何もせず、ボーッとする時間なんていつ以来だったかな。少し義理を欠きながら、無理して行った旅行でしたが、楽しかったです。そして少し無理すればちゃんとこういう時間が取れるということもわかりました。これからは年に1度はこういう旅行をしたいな。

新年早々ショックです

あけましておめでとうございます。

実は、去年1年のバタバタでついに糸が切れ、年末に心の洗濯をしに、北京旅行したのですが(北京旅行については、また後日)、帰ってきたらその反動でさらにバタバタのまま新年に突入しました。要するに、年末年始は仕事です。

28日まで会議、元日は近所へ初詣、2日は七福神巡り(今年は武蔵新田の多摩川七福神)ですが、その合間を縫ってずっと翻訳しています。お仕事ご依頼ありがとうございます。

ところで今回、何段階も字下げをしなければならない文書が1つあったのですが、その過程で大きな壁にぶち当たってしまいました。

先日ATOKと別れてGoogle日本語入力に切り替えたのですが、Google日本語入力でWordを使っているという条件で、インデントを設定するとWordがフリーズしてしまうのです!

最初は何のトラブルなのかわからなかったのですが、あまりに頻発するのでネットで調べたところ、多くの人が同じ現象に悩まされていました。Microsoftのコミュニティを見るとトリガがインデントでない人もいるようですが、いずれにしてもGoogle日本語入力+Wordで突然何もできなくなるという点は共通しています。

Wordは客先の指定なので、変えることはできません。いちいちWordを再起動するか、Google日本語入力をあきらめてMicrosoft IMEを使うしかないのでしょうか。今のところは入力をすべてすませた上で、まとめてインデントを動かすことにしていますが、つい忘れて入力しながらインデントを動かしてしまいます。そしてフリーズ泣。

日本語IMEは仕事の上ではキモのキモです。ほかに方法がないか、ちょっと研究してみようと思います。

 

ATOKをあきらめた理由

長い間、日本語IMEはATOKを使ってきました。使い始めの頃は無料で提供されるIMEにいいのがなく、確実に正しい日本語に変換され、辞書もひけるATOKは翻訳する際に「一択」といっていいほど使い勝手がよかったのです。

最近取り入れられたサブスクリプションではなく、いわゆる「買い切り」を使っていたのですが、今年パソコンを買い替えてソフトウェアも少し新しくする必要が出たので、ついでにATOKも見直そうと思いました。

サブスクリプションを前提に、1か月の試用版を使ってみたのですが、案に相違して、使いにくい! ものすごく!!

私は入力のときに単文節変換をしています。

わたしはにゅうりょくのときにたんぶんせつへんかんをしています。/

というふうに全部打ってから変換するのではなく、

わたしは/にゅうりょくのときに/たんぶんせつ/へんかんを/しています。/

と文節ごとに変換していく方式です。これは大昔、ワープロ専用機を使っていた頃からの癖なので、もう直りません。変換(スペースキー)を押す回数が多くなるとか言われますが、1つ1つ変換を確認しながら進めていけるし、この方が間違いが少ないと思っています。

ところが新しいATOKは、この単文節変換にとてもとても弱いのです。

たとえば、

……経済が非常に好調である。好調の原因は……

なんて打ちたいとします。1つ目の「好調」で変換を確定すれば、2つめの「好調」は1回で変換されるはず。学習機能があるから。でも、されません。2つ目で1回変換すると「校長の」なんかになるのです。

「あっ」と思ってバックスペースで消していって、もう1度「こうちょうの」と打って、1回では「校長の」になると思うから2回変換すると、今度は1回で「好調の」に変換され、結局2回めの変換「校長の」が確定されてしまう…のです。

よく使う同音異義語は、ことごとくこの有様。これは本当に参りました。何か設定があるはずだと思って、いじってみるのですが、変わりません。あれこれ調べていると、まったく同じことを書いてあるブログを見つけました。困ってるのは私だけじゃなかったようです。

実はATOKを使っていてもう1つ問題がありました。

私はkarakで提供してくださっているpinconvを使っています。もうだいぶ長くアップデートされていませんが、基本はテキストエディタなのでさほど困ることはなく、今でも使い続けています。

ところが、pinconvで新しいATOKを使うと、バックスペースを押したときに半角の空白が残るのです。ですから、1文字消すのに2回バックスペースを押して、その半角の空白を消さなければなりません。でも2文字目からは半角空白は残りません。

これも理由がわからない。ほかのIMEでは出ない状況なので、ATOK独自の問題か、pinconvとATOKの相性なのだと思います。

結局、こうした理由でATOKを使うのをやめることにしました。変換キーとかバックスペースとか、キー1つを何回押すかだけのようですが、毎日大量に文字を打つ商売なので、すごく大きな問題です。

今はGoogle日本語入力を使っています。以前に比べて変換が正確だし、単文節変換でもストレスがありません。変換候補の提示も見やすいし、満足しています。

あと、ATOKにサブスクリプションのお金を払わずにすんだのもよかったかな。